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Channel: 五千年前の大洪水と先史文明研究ゼミ
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巨大隕石の証拠

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巨大隕石の証拠
 アルバレス論文ではイタリアとデンマークのイリジウムに富む薄い粘土層が分析されたが論文発表直前にニュージーランドのK―T境界層でもイリジウムの農集が確認された。引き続き同様のイリジウム農集層、スペイン、アメリカ各地、中部太平洋、南大西洋の海成堆積岩層のK―T境界に相当する部分や地上で堆積したK―T境界層の泥岩層から確認された。
 これらの特徴的なK―T境界層の厚さは、ヨーロッパでは約1cmであったが、北アメリカのカリブ海周辺やメキシコ湾岸では厚さが1mを超えるうえ、構造や成分の異なる2層が観察され衝突の結果 形成されたクレ-ターが付近に存在すると考えられた。
 北アメリカのK―T境界の粘土層中には高熱で地表の岩石が融解して飛び散ったことを示すガラス質の岩石テクタイトとそれが風化してできたスフェール、高温高圧化で変性した衝撃石英も発見されており、これらはすべて隕石衝突時の高熱により、地上の植生等が大規模な火災を起こした証拠と考えられた。
 1980年の論文では全世界に撒(ま)き散らされたイリジウムの量や
K―T境界層の厚さを元に落下した隕石の大きさを計算し直径10±4km程度と算出した。しかし落下の最も確実な証拠であるクレーターは当時発見されなかった。
 調査が進むにつれてK―T境界層の厚さから北アメリカ近辺に落下したらしいという点とカリブ海周辺及びメキシコ湾周辺のK―T境界層で津波による堆積物が多く見つかることから、落下地点は近くにあると推定されるようになった。
 1991年巨大隕石による衝突クレーターと見なされる「ユカタン半島北部に存在する直径170kmの円形の磁気異常と重力異常構造」がヒルデブランドらによって発見された。この環状構造は石油開発関連の調査から導から他もので、一部の関係者は把握していたが1991年まで
広く知られろことはなかった。
1975年には「古い火山中央部とみられる環状構造」
1981年には「噴火物を伴う衝撃孔」と報告されていたがK―T境界と関連付けた報告ではなく大きな注目を受けなかった。
 これらの報告に使われたデーターは「メキシコ石油開発公団」(ペメックス)が石油探査のために行った調査によるものであった。
ヒルデブランドらがペメックスが採取していたボーリングサンプルを再調査したところクレーターの形成年代がK―T境界と一致すること含まれる岩石成分が周囲に飛び散ったテクタイトと一致することが判明し「K―T境界で落下した巨大隕石によるクレーター」であると確認した。確認されたクレーターは現在のメキシコのユカタン半島の北西端チクシュルーブで、直径約200km・深さ15-25kmのチクシュルーブと見積もられた。(その後1995年クレーターの直径300kmと言う説も発表されたが、現地での地震探査の結果
2009年の時点では「直径200km」が妥当とされている。
また隕石落下地点は当時石灰岩層を有する浅海地域だったと推定され、隕石落下により高さ300mに達する巨大な津波が北アメリカ大陸の沿岸に押し寄せたと推定される。
皆が反対した火山説のその後
 火山説については1999年にフランスの地質学者クロード・アレグレールが白亜紀末に該当するデカン洪水溶岩の年代について「6660万年前誤差±30万年」と推定した。この年代値はイリジウムが農集した堆積層よりも明らかに古く隕石衝突に先行して噴火が起こったとしている。
また火山由来のイリジュウムの場合は同時にニッケルとクロームの濃度増加を伴うが、K―T境界からはイリジュウム以外の元素の農集は確認されていない。
と書かれておりました。
今日はここまで、また夢の世界でお会いしましょう。

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