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Channel: 五千年前の大洪水と先史文明研究ゼミ
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カイパーベルト5

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 カイパーベルト5

  オールトの雲の起源に関して現在広く受け入れられている説は、太陽系の内側で形成された氷微惑星が惑星の摂動により離心率の大きい軌道に変えられて外側に飛ばされ、太陽から遠く離れた所に到達すると今度は近傍の恒星や銀河の摂動で離心率の小さい軌道に戻されて、オールト雲天体に落ち着くというものである。オールト自身は、火星と木星軌道の間にある小惑星帯付近から惑星の摂動により太陽系の外側へ飛ばされた微惑星がオールトの雲の起源である考えたが、小惑星帯から外側に散乱される天体の総量はさほど多くないので、現在は この考えは廃れている。また木星は質量が大きすぎるので、木星に散乱された 天体は速度が大きすぎ、太陽系内に留まらず、オールトの雲を通り越して星間空間へ飛び出してしまうとも言われている。これらのことから、オールト雲天体の力学的起源は天王星・海王星領域にあると考えるのが妥当なのだろう。稀には太陽系外縁天体同士の衝突がオールトの雲へ天体を供給する場合もあろう。 2005 年 7 月のディープ ・ インパクト計画により、長周期彗星と短周期彗星の内部物質には余り違いがないかもしれないことも示唆されている。もしかすると太陽系外縁天体領域からオールトの雲へ天体供給効率は従来の予想よりも高いのかもしれない。
 オールト雲天体はかつて一度も発見されていないと記したが、最近発見された太陽系外縁天体である ( 90377 ) Sedna は近日点がおよそ 76 AU、遠日点が 975 AU に達する超長楕円軌道を有している。これまでに発見された太陽系外縁天体の中で最も大きな楕円軌道である。この天体は実は、世界で初めて検出されたオールト雲から来た天体なのかもしれない。


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