Quantcast
Channel: 五千年前の大洪水と先史文明研究ゼミ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1343

マムシ族

$
0
0

マムシ族
毒蛇の来た道 星野通平 東海大学出版会
p94
マムシ族の毒蛇はヘビの中でも最も広い分布をしています。マムシは中央アジア、東南アジア、シベリヤ、中国、朝鮮半島、日本列島、そして北米にも分布している。
北米に渡ったマムシは鮮新世の初め、ベーリング海峡を通っていった。
アメリカ大陸には鮮新世より前にはクサリヘビ科の毒蛇はいなかった。
ベーリング海峡は浅い海で氷河時代には陸橋となった。
しかし 氷河時代のこの陸橋は寒冷のところには棲めないヘビにとっては縁のない陸橋であった。(何かに紛れて運ばれたと解釈します)
p97北のマムシ
中新世末期に朝鮮半島を経由して日本マムシは大陸から日本列島に広がった。天売島(オロロン島)のマムシもこの子孫である。サハリンに棲むカラフトマムシは日本マムシとは別の種類である。
日本マムシが朝鮮半島経由で渡来したことは、マムシの血清が証明してくれる。日本マムシの毒は、台湾や東南アジアのマムシの血清では中和されない。毒の成分がかなり違うからである。同属同種のイランと朝鮮と日本マムシをとってみても日本製の抗マムシ毒血清は朝鮮半島のマムシ毒は中和するが、イランのマムシ毒には効果がない、といわれている。
中新世以来の永い年月の間にそれぞれの地域のマムシはすこしずつ中味が
変わってきたのであろう。
p98
鮮新世から第四紀初めにかけてのヒマラヤ変動の絶頂期に天売島(オロロン島)も焼尻島も、ブロックになって隆起した。そして同時に目覚ましい海面の上昇が行われた。この上昇した海面は前に述べたように一番高い海岸段丘をつくった海面であった。 つまり 大阪にワニが棲んでいた時の海であり、海抜98mの与論島や同じような高さの宮古島が海に沈んだ
これらの島に、ハブやサキシマハブがいなくなったときの海である。
当時の海面は今日に比べて100mほど高かった。天売島はこの時でも海抜80mの島であり焼尻島は完全に海に沈んでしまった。天売島のマムシは生き延び、焼尻島では亡んでしまった、と思われる。
p100
八丈島にはマムシがいる。
本州から八丈島に渡るのには黒潮(黒瀬川という異名を持つ
流速 2から3m/sec 時速:7.2kmから10.8km)がある。
八丈島のマムシは黒潮を横切って移動したとは思われない。
外国にはこういう例がある。
 米国南部フロリダ半島にはガラガラヘビやサンゴヘビなどの毒蛇が一杯いる。 ところが150kmの幅のフロリダ海峡を隔てたキューバ島には毒蛇はいない。フロリダ海峡は黒潮と並んで地球上の二大海流といわれるメキシコ湾流の出発点である。毒蛇は海を渡れない。
きょうはここまで、また夢の世界でお会いしましょう。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1343

Trending Articles