その他の機器
可視光領域の他に、電磁波の別の領域から得られる情報も増えてきた。そのような測定の最初期のものは、太陽の熱的性質について行われ、日食の時にコロナからの放出の測定が行われた。
電波の発見に伴い、天文学の新しい分野として電波天文学が生まれた。長い波長の電波は、良い解像度の画像を得るためにより大きな集光アンテナを必要とし、後に高解像度の合成開口画像を得るための複アンテナ干渉計の開発に繋がった。マイクロ波受信機の開発は、ビックバンに関係する宇宙マイクロ波背景放射の発見を導いた。
電波天文学は、地球の大きさよりも大きい干渉計を作るための電波天文衛星「はるか」の活用等でさらにその範囲を拡大した。しかし、別の目的への電波の利用の拡大により、恒星からの電波のシグナルは徐々に弱くなっており、将来の電波天文学は、月の裏のような電波から保護された場所で行われるようになるかもしれない。
20世紀末には、天文機器の技術が急速に発達した。光学望遠鏡はさらに大きくなり、また補償光学を採用することで大気のぼやけを抑えている。宇宙に設置される望遠鏡も出現し、赤外線、紫外線、X線、ガンマ線で観測を行っている。干渉計アレイは、電波、赤外線、可視光の波長で、非常に解像度の高い画像を生成した。ハッブル宇宙望遠鏡のような軌道上の望遠鏡は、非常に暗い天体を可視光領域で観測し、天文学についての知見を急速に増やしている。開発中の新しい宇宙望遠鏡は、太陽系外惑星を直接観測することが期待されている。
望遠鏡以外の機器
ニュートリノ天文学は、通常は巨大な地下タンクであるニュートリノ検出器を用いて天体を観測する天文学の一分野である。恒星や超新星の中での原子核反応は、大量のニュートリノを発生させ、そのうちのごくわずかがニュートリノ検出器によって検出される。ニュートリノ天文学は、太陽核等、光学望遠鏡では観測できない過程の観測を目的に発展した。
重力波検出器は、中性子星等の大質量の天体の衝突等の事象を捉えるために開発された。太陽系の惑星の詳細な観測に宇宙探査機を用いることも増えており、惑星科学の分野は、地質学や気象の分野と重なってきている。
と書かれていました。
ほぼ14年前、高エネルギー加速器研究機構(茨木県筑波市)から発射されたニュートリノをカミオカンデ(岐阜県飛騨市神岡町)がキャッチした記事が発表されたことがあった。
ニュートリノビームライン:約250km離れたスーパーカミオカンデに向けてニュートリノビームを射ち込み、長基線ニュートリノ振動実験(K2K)を1999年から2004年まで行っていた。茨城県東海村に建設されたJ-PARCでは、さらにニュートリノビームの強度を高めた実験「T2K」が2009年から行われている。
今日はここまで、また夢の世界でお会いしましょう。