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Channel: 五千年前の大洪水と先史文明研究ゼミ
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「朝鮮」と「韓」という問題

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「朝鮮」と「韓」という問題

 ここで「朝鮮」と「韓」ということを考えておきたい。奇しくも、現在の北朝鮮は「朝鮮人民共和国」、そして南朝鮮は「大韓民国」という国名である。「朝鮮」という名は、すでに述べたように実は中国あるいは北方系のものである。それに対して「韓」は「三韓」の通り、朝鮮半島南部に発する名である(現在の南北分断の現実がこの記憶を改めて呼び起している模様で、互いに「韓」あるいは「朝鮮」は禁句であると聞く。例えば、韓国では「朝鮮史」とは言わず「韓国史」と呼ぶ)。
 実はこれは、まさに「朝鮮民族」の生成そのものに関わる構図なのである。「朝鮮民族」とも「韓民族」とも言われるが、どうして北方の「朝鮮」と南方の「韓」がイコールなのであろうか。ひとまずの解答としては、三韓の一国である新羅が半島統一を初めて成し、最長で最後の王朝が李氏の「朝鮮」王朝であったことをあげておこう。しなしながら、問題の本質はそうではない。「朝鮮民族」とは何であるかという問題なのである。
 朝鮮(韓)人も日本人もモンゴロイドである。詳しい出所は不明であるが、日本人は縄文人と弥生人との混血人種であろう。同様に、朝鮮人とはツングース人と韓人との混血人種なのである。つまり、「朝鮮民族」とはいくら早くとも新羅による半島統一以降の融合産物と言わざるを得ない(注1)。そういう意味で、扶余人や高句麗人は、それに渤海人も「朝鮮人」ではない。まだ、北方ツングース人の段階である。もしも強引に彼らを「朝鮮人」と言い張るなら、仇敵であったはずの女真・満州人(注2)も「朝鮮民族」とせざるを得ないと思うがどうだろうか。
(注1)朝鮮語もそういう産物の一つである。朝鮮語は、日本語と同様に「中国」語(漢語)の核と吸引力によって初めて実質的に形成された言語と考えるべきだろう。
(注2)渤海はツングースの靺鞨(まっかつ)人の国で、後ちに女真人と呼ばれたが、彼らが朝鮮に攻め入った金や清の王朝を興した。
 別稿でも述べたのだが、韓人(注)とは華南からやってきた古アジア人である(彼らこそ、列島へ水稲耕作を運んだ弥生人でもある)。少なくとも北方ツングース人とは全くの別族である。北方と南方とのせめぎ合いから「朝鮮民族」は誕生した。これで良いのである。現代の南北の呼称論議は歴史的な問題ではなく、すでに融合して誕生した朝鮮人を反歴史的に解体・分解しようとする実質無効の政治的攪乱(かくらん)であるに過ぎない。
(注)念のために申し添えておけば、百済人、加羅人、統一以前の新羅人もまた、そのままでは「朝鮮人」ではないということだ。
と書かれておりました。
今日はここまで、また夢の世界でお会いしましょう。
 


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