北欧神話
宇宙論 Wikipediaより
世界樹ユグドラシル
スカンディナヴィア人達は、この世に九つの世界があると信じていた。
• アースガルズ- アース神族の世界。オーディンの居城ヴァルハラが位置するグラズヘイムも、この世界に含まれる。ヴァルハラは偉大な戦士達の魂である、エインヘリャルが集う場所でもあった。こうした戦士達はオーディンに仕える女性の使い、ヴァルキュリャによって導かれる。彼女らが纏う煌く鎧が、夜空のオーロラを作り出すのだと考えられた。エインヘリャルはラグナロクで神々の護衛を行う。ラグナロクとは神々とその邪悪な敵との大いなる戦いで、命あるすべての存在が死に絶えるとされた、北欧神話における最終戦争である。善と悪との両極端にわかれての戦いは、古代における多くの神話でごく普遍的にみられるモチーフである。
• ヴァナヘイム- ヴァン神族の世界。
• ミズガルズ - 死を免れない人間の地。
• ムスペルヘイム - 炎とスルトの世界。スルトとは溶岩の肌と炎の髪を持つ巨人である。
• ニヴルヘイム - 氷に覆われた世界。ロキがアングルボザとの間にもうけた半巨人の娘、ヘルが支配し、氷の巨人達が住む。
• アルフヘイム- エルフの世界。
• スヴァルトアルフヘイム - 黒いエルフ、スヴァルトアールヴァルの住む世界。
• ニダヴェリール - 卓越した鉱夫や腕の立つ鍛冶屋であった、ドワーフや小人達の世界。彼らはトールのハンマーやフレイの機械で造られたイノシシなど、神々へ魔法の力による道具を度々作り上げた。
• ヨトゥンヘイム - 霜の巨人ヨトゥンを含む巨人の世界。
こうした世界は世界樹ユグドラシルにより繋がれており、アースガルズがその最上に位置する。その最下層に位置するニヴルヘイムで根を齧るのは、獰猛な蛇(または竜)のニーズヘッグである。アースガルズにはヘイムダルによって守られている魔法の虹の橋、ビフレストがかかっている。このヘイムダルとは、何千マイルも離れた場所が見え、その音を聞くことが可能な、寝ずの番をする神である。
北欧神話の宇宙観は、強い二元的要素を含んでいる。例えば昼と夜は、昼の神ダグとその馬スキンファクシ、夜の神ノートとその馬フリームファクシが神話学上、相応するものである。このほか、太陽の女神ソールを追う狼スコルと、月の神マーニを追う狼のハティが挙げられ、世界の起源となるニヴルヘイムとムスペルヘイムがすべてにおいて相反している点も関連している。これらは、世界創造の対立における深い形而上学的信仰を反映したものであったのかもしれない。
と書かれておりました。