サルマタイ
コビャコヴォ10号墳 Wikipediaより
• ドン川下流ロストフ・ナ・ドヌー市郊外のコビャコヴォ10号墳は墳丘の高さが3mの古墳である。墳丘下には激しく焼けた箇所があり、ローマの青銅製容器断片が発見されており、追悼宴が行われたことを示していた。古墳中央からやや南東側に方形の墓壙があり、内部に2.5m四方の正方形の木槨墓室が造られ、25~30歳の女性が埋葬されていた。女性は頭に赤色の薄い革で作られたディアデムを、頸には多色動物様式の金製透かし状の首輪、腕にも同様な金製腕輪、右手の指にも金製指輪をつけていた。ディアデムには薄い金製板を打ち抜いて作られた生命の樹を中心にその両側に3頭ずつの鹿と2羽ずつの鳥、小円文のアップリケが取り付けられていた。首輪は、長髪有髭で長剣を膝に置く戦士の故座像を中心にして、両側に獣頭で鎧を着た空想的な3人の人物がグリフィンと闘争する図が表現されている。人物の耳や鎧、グリフィンの顎、耳、脚、胴、腿、翼などにトルコ石が象嵌されていた。腕輪にはグリフィンが連続して表現され、目、腿、爪などのトルコ石とザクロ石が象嵌されていた。また、指輪には滴形の練り物2個が象嵌されていた。女性の衣服にはロゼット文などのアップリケが多数縫い付けられていた。主な副葬品としては表面に石膏が塗布された木製蓋付小箱、多色動物様式の文様で装飾されたフラスコ型の金製小型香油入れ、鉄製斧、蓋付灰色磨研型土器、鉄製ナイフ、銀製匙、ライオン頭部を正面観で表現する金製象嵌ファレラと半球形青銅製ファレラ各2点、鉄製轡などがあった。ディアデムの生命の樹と鹿・鳥のモチーフと香油入れはホフラチ古墳出土の例と類似してるが、首輪の闘争図のモチーフはセミレチエのカルガルゥの金製ディアデムに類例があり、長髪有髭の人物も東方との関係が指摘されている。さらに、中期サルマタイ時代の埋葬址から多数出土する鏡の大半は柄鏡であるが、中国鏡やコビャコヴォの例のように中国からの搬入品も発見されており、サルマタイが中央アジアを通じて中国と間接的あるいは直接的に関係していたことを示している。コビャコヴォ10号墳は1世紀末から2世紀に編年されている。
と書かれておりました。
生命の樹は北アジアでは有名である。
中期サルマタイ時代の埋葬址から多数出土する鏡の大半は柄鏡である。この鏡は中国製であると言う。
日本から見ると、青銅製の鏡は中国にはないと言う。